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y1047 乙女心


ひかる24歳。妹が上京するとの事。
友人、及び親戚がなく、優しい言葉をかけてくれる人も居ない、厳しい東京で生きて行けるのだろうか。
片方の足は完全に麻痺しており、パスポート持参。15歳の少女である。
しかし、妹は余り干渉されない東京で、ひっそり生活したかったのでしょう。
小さな島、偏見の中で育ち、生きる全て、唯一の頼りは、兄だったのでしょう。
幸いにも東京都の身体障害者職業訓練校へ入学、卒業後、訓練校の紹介で縫製会社へ就職。会社の寮へ入れました。
数年後、同業他社へ転職した同僚から、「今までより条件が良いので来ないか、との誘いに乗りたい」との件で、相談。
無計画で、衝動的な行動に、思いっ切り叱ってやりました。
元気な友達は、あっちこっち転職するかも知れない。お前は障害者なのだから、他人の真似事はするな! じっと我慢しろ! と。
妹は寂しそうな、そして芯から怒っている、射抜く眼差しで睨みつけているだけ。
まさか兄から身体障害者扱いされるとは、思っても見なかった事でしょう。
夢見る少女心のショックは大きく、お互い気まずい無言の一時があり、「帰る!」と一言残し、トコトコ出て行きました。
その後、数年間の音信不通があり、ひかるの方から連絡、「運転免許を取ったらどうだ」と持ちかけると、どうせ「障害者なのでしょ」と、蚊の泣くような小さな声での返事。
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