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y1188 スケベーじーさん


南の島には、個性豊かな老人達が多い。
自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。
水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。
あんたは肌が白い、顔立ちにも気品がある、京都の生まれであろう、とかなんとか言って、話しかけていく。
観光客も、明らかに島のじいさんだと言う事が分かるので、別に拒否反応も示さず、また南の島ゆえ開放的に色々な話をして過ごす。
じいさん、毎日若い女の子のケツを追っかけ、ばあさんにやきもち妬かれないのか、と聞くと「あはー ばあさんは、とっくに死んだよ」
おい おい 生きている人を殺すなよ!
ばあさんが死んでいたら、あんたはとっくに死んでいるよ!
このじーさん、ボケているのか、ばあさんが世話しなければ、生きて行けないはずだが、脳内プログラム、三途の川、いや海の景色を楽しんでいるようだ。
ワシは若い娘たちから、パワーをもらっているから元気でいられる、と本気でしゃべっている。
そのじいさんがニコニコ笑って、おい! ひかる、この島は格が上がったぞ、と言う。
よくよく話を聞くと、以前は観光客に年寄りが多かった。
しかし最近では、若くてしかも美人だけが、こぞって島へ訪れるという。
だからこの島の格が上がったと、じいさんは主張するのだ。
確かにここ数年で、この島へ訪れる観光客は、若い女の子の比率が格段に上がったことは事実である。
この地区は今、離島観光ブームでかつてない程、沸き上がっている。
石垣市を中心として、黒島には毎日15便ほどの往復便がある。
この島より少し小さいが、竹富島は文化財に指定され、牛車での島めぐり、赤い瓦屋根、道路などの景観が観光客に大人気。
黒島の3倍以上、毎日50便が、石垣島から観光客を運んでいる。
隣の小浜島は、黒島よりちょっと大きいが、NHKのちゅらさんドラマの舞台となって、その島も、毎日33便くらいの往復便があり、観光客で沸きかえっている。
また、隣の西表島は、東洋のアマゾンと呼ばれるだけあり、沖縄本島に次ぐ2番目に大きな島であるため、そこも、石垣島より、40便前後の船が往復している。
また、船の大きさも、定員数も格段に違い、黒島便は小さな船が15便しかないということは、いかにこの島が観光地化してないかということが分かる。
また竹富島や小浜島、西表島などは、ツアー観光のコースに取り入れられている。
黒島は民宿の数も少なく、大勢の団体が来た場合、トイレや休憩所など、とても対応できない。
石垣島の離島桟橋で見ていると、三角の旗を持ったツアーガイドが、大声を張り上げ、ムカデのごとく、竹富島や小浜島、西表島などへ渡っていく。
水着に飽きる?
若い人たちは、どうしても中高年、団体客、ぺちゃくちゃ食べ、スピッツのごとく、しゃべりまくるあの集団には、辟易するようだ。
よって若い観光客が、締め出される形で、今度は黒島へ押し寄せる。
だからスケベーじーさんの言う通り、海岸へ行くと、若いピチピチしたギャルたちが、ごろごろいる。
この島で2、3年も生活すると、誰でも水着に飽きてしまう。
海のない、あまり水着に出会える機会の少ない人達から見ると、嘘だろうというかもしれないが、マジな話だ。
シーズンになると、水着での集落内歩行はやめましょう、との立て看板も熱いので守れない。
また、格安航空券も国内で一番長い距離があるため、割安感があり、東京の人が軽井沢、箱根や伊豆半島へ出かけるように、この地区へ人が集まる。
南島楽園、まだまだ続くようだ。
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