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 1179 地獄耳 [恋愛・結婚]





パーティーから数日後、港で会ったので声をかけた。
先日、群馬からお父さんが来たんだって、と聞くと。
え! ええ!!、誰から!、誰から聞いたの、私お父さんが島に来た事誰にも言ってないのに、とびっくりしていた。
おじさん、地獄耳だから何でも知ってるよ、というと観念したのか、皆さん島の良い人に出会えた事、一生忘れないよと、笑顔で答えていた。
真美ちゃんのお父さん、本当に心配で仕事を休んで、高い飛行機代出して、様子を見に来たんだぞ。
もっとお父さんに、甘えた方がいいよ、というと、ニ週間後に島を離れるけど島の事、一生忘れないから、と明るい笑顔だった。
群馬へ帰ったら、お見合いをし、いい人見付けな、というとコックリうなずき、私必ずいい人見付けて、もう一度島へ来るからと自信に溢れた少女の笑顔が返ってきた。
この島は、見事なハートの形をしている。何故かこの島に滞在すると、心が落ち着き癒されるという。
真っ赤に燃えた真美のハート、きっといい人が見つかるであろう。
南の島の夜、雲一つない晴天、まれに見る星空の美しい夜の出来事。
民宿の庭で、観光客14、5人と輪になって酒を飲んでいると、年の頃30歳を越したばかりと思われる女性の二人連れがいた。
綺麗な星空を海岸で見て来る、と二人は出かけた。
しばらくして、綺麗な星空が見れてよかったと帰ってきた。
流れ星見えた、と聞くと、すごい大きな流れ星が何個も見えた、との事だ。
年頃の女性なので、さぞかし流れ星にロマンチックな想いを寄せたのでは、と尋ねると「勿論、お願い事したわよ」
何をお願いしたのと聞くと、勿論お金よ、と即座に言ってのけ、隣の子もうなずいていた。
「おじさん知らないの、流れ星に、金、金を5回連発出来ると、金持ちになれるのよ」・・・・
今の若者の考え方には、夢もロマンもへったくれもないか。
しばらく飲んでいたが、また今度は、別の方向で星を見に行くという。
姉御役と思われる一人が、どうも自信がない。
こんどこそ間違いなく、金、金を5連発してやると、立ち上がって行った。
こら! この若さで、まだまだ人生を開き直る事ないだろ、といったがどうも耳に入らないようだ。
スレた様子からみて、この二人の女性は、再度星を見に行くと言って、周りの男の子が一緒に追いて来るのではないかと、誘いをかけしているように見えたが、男は誰一人として追いて行かなかった。
男どもよ! 間違ってもこのような女性に捕まるな。
まかり間違って捕まると、なんで私が貧乏な人生を続けなければならないんだ、と言い続けられる。
結婚しない女性が増えているというが、原因の根本は結婚に対する金の比重が、以前とは格段に違うようだ。
このような世代に生まれなくて幸せだった・・

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