1123 傘をさすのは人間だけだ ! [恋愛・結婚]
イベントは晴天に恵まれ大成功。その会社の社長が「ひかると言う男、雨が降ろうが、やりが降ろうが、しっかり仕事をやり遂げる、一番信用出来る」と尾ひれを付けて回ったのである。
もっと大きな財産は、回りが全員風邪を引いていても、部屋中菌が充満していても、絶対と言っていいくらい、この男の体はまともじゃないのでは、と疑うほど、風邪を引かない、丈夫な体になったのだ。
そして言う「地上にいる動物の中で、雨が降ったからとて、傘をさすのは人間だけだ、雨なんぞ、負けるな」と。
母との約束で学校へ行きはしたが、やはり借りてきた猫の如く、もの言わぬ人(オシ)とあだ名され、中学を卒業。
高校へ進むにもまた、島からは同学年で、ひかる一人。
地元の石垣中学から、なだれ込んだ連中が、徒党を組んでいるように見え、ここでもまたもの言わぬ人とあだ名され、卒業。
上京後、就職するにも、今度は異境の沖縄人として見られ、その事が自分自身にも大きく乗しかかり、言葉のなまりが気にかかり、多くをしゃべりませんでした。
同期の人は、30前に管理職として登用されていきますが、やはり置いてけぼり。
やっと30歳で管理職の末席につくようになった頃、先輩管理職がごっそり飛び出していったのです。
その後、社の状況は、日に日に悪化、殆んど泥沼に片足を突っ込んだ状態となりました。
取り巻く状況が悪い時、殆んどの人は、身を守る方へと向かいますが、ひかるの場合、全く逆で、一気に攻める事を考えたのです。
長い間、もの言わぬ環境で育ち、何かに挑戦してみたい、他人に負けるはずがない、という、情熱のエネルギーが、爆発寸前まで蓄えられていたのです。
貧乏のどん底を這いずり、嘗め回す、しこたま、言葉を無くす程いじめ抜かれる、人生の一番大事な結婚では、生い立ちを罵られ、塩を撒かれる。
人間、生まれた所で価値が決まるわけではない!! と怒鳴りたいが、耐え抜いてエネルギーを貯めるしかなかった。
そのエネルギーは、人間が豹変したのではないかと思われる勢いで、トップを説得しまくり、承諾を得ると即行動。
まず100人を動かすには、行動を共にするブレーンが10人いれば、流れは変えられるだろう、とブレーン作りを開始しました。
守りに回った人を攻めに転じさせる事は、容易ではありませんでしたが、熱意をもって説く姿にブレーンが増え、大きな展開が出来るようになったのです。
1122 大きな財産 [恋愛・結婚]
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筋肉が付き、ビッコも徐々に目立たなくなり、勉強で他のいじめっ子を負かす事が出来る、と悟ったひかるは、必ず一番になる、と猛勉強をするように成った。
回りの家では、石油を一升瓶で買うが、貧しく二合瓶でしか買えない、小さなランプだが、父はひかるに明け渡し、細かい仕事を明るい内に済ませ、暗闇でせっせせっせかと内職をする。
子供の時の境遇は大人になってから、大きな財産と成る。
小中学を通し、どしゃ降りの雨に打たれた事は、いつの間にか苦痛ではなく、ひかるの中で、修行僧が滝に打たれる如く、快感になって行ったのである。
ある日、営業で大きなイベント収録を受注、最終打ち合わせ確認時、途中よりどしゃ降りの雨となったが、例によって快感を感じ、客先へ行った。のき先で滴る雨を切り、客の前へ立つと、相手がびっくり。
タクシーも有るだろうに、傘も買えるだろうに、と・・・
ソファーに座ると濡れるので、立ったまま最終確認をし、またどしゃ降りの雨の中を平然と帰る。
s1121 ペルテス病
振り返ると、ひかるは小学校入学時、登校拒否児でした。
五歳の時、股関節を痛め、かなりのビッコ、入学時、他の子が運動場一周するにも、半周しか出来ない、ピコタンピコタン状態。貧しくカッパが買えない大雨の日、母は蓑傘を着させ、登校させる。
途中、ひかるはあまりの格好悪さに気ずき、帰ると脱ぎ捨て、ずぶ濡れで登校。急に体を冷やしたせいか、下腹部に激痛を感じるが、我慢できずウンチを漏らしてしまう。ビッコ野郎、ウンチ野郎、といじめられる。
女の子が木切れでつっついて逃げるに、ピコタンピコタン追いつかない。更に、他の村は、同級生が大勢いたのですが、ひかるの村はたった一人。しこたまいじめ貫かれたのである。
登下校時、他の村の連中が徒党を組み、襲ってくるのではないかと、恐怖を感じ、とうとう言葉を失う、しゃべらなくなったのです。
登校拒否に、母はひかるを抱きしめ「ひかるが学校へ行ないんなら、お母さんは生きていけない・・」と大粒の涙をおとす。
当時、母は貧しく栄養失調ぎみ、三人の子が次々と育たなく他界、ひかるがビッコで学校へも行かない・・
顔色から本気で死の道を考えている事が感じられる。母の心の内を感じたひかるは、だまって小指を出した。
ひかるの初めての指切りは、母との約束であった。
どしゃ降りの雨でも、口を真一文字に噛み締め、ずぶ濡れで学校へ行くようになった。
いじめは止まず、当然、成績はすべて零点だったが、通信簿は学校の配慮なのか、1ではなく、オール2のアヒルの行進。しかし、四年の終り頃、勉強もしなかったが、30点、40点が出るようになった。
この、ちょっとだけ成績が良くなった事を、先生が見逃さず、進歩賞なるものを直筆で作り、みんなの前で表彰、褒めてくれたのです。
口を閉ざしたひかるの学校恐怖症、素晴らしい先生との出会い、粋な計らいが自信となり、徐々に心を開いていったのです。
登校拒否やいじめ問題は、このような思いやりのある先生に出会えれば、事なきを得る事でしょう。
s1120 放送、開局!
ブログによる放送、そんなに難しい事ではない。即、実現可能である。
例えば、野球放送を考えた場合、12球団、各球団のフアンブロガーを、6名集め、試合が行われると、その球場へ行き、逐一1分単位でもいい、ブログで、結果を上書きして、立ち上げる。
6試合であるから、六つのブログを一つのサイトとして、位置づけるのだ。
常に、各球場の最新情報が、ポータルサイトで書き換えられているという事になる。
テレビで、ダイジェスト版として、プロ野球ニュースがあるが、そんな番組はもう用をなさなくなる。
例えば、TBSが、東京ドームで行われる巨人、横浜戦を中継しようとしても無理だ。
素材をニュースとして使うぶんにはいいが、番組としては使えない規則になっており、お互い縛りっこしている。
ブログの場合、携帯を球場へ持ち込ませない、という訳にはいかない。
縛りがないので、誰でも自由にブログ番組の立ち上げが出来るのだ。
ブログのポータルサイトをうまく作れば、野球だけではなく、サッカー中継、全国の祭りサイト、もろもろの番組が、放送時間枠、時間帯など関係なく、ほぼリアルタイムに送出できるのである。
テレビの場合は、どうしても放送時間、各局間の縄張り争い、あるいは一方的な情報の流し方など問題があるが、ブログの場合、ワンセグテレビを見るように、気のついた時、一服の時、信号待ちの時に自由に見れる。
テレビ放送にはない、かなりのメリットを有している。
一少年が、5コマ漫画に夢を見、浦島太郎になっていく姿自体が、5コマ漫画の格好の題材になるかと思います。
紙面の隅っこ、あまり注目される事もなく、流れすぎていく5コマ漫画の世界と同じで、あっという間の人生でした。
s1119 ドザエモン
ひかるがパスポート時代、結婚には、女房の親から猛反対を受けた。
その親が、ある会合で、放送関係者と出会った。
その人の話で、放送業界に、沖縄出身の誰もがリスクを恐れ、引き受けない仕事でも、平気で引き受け、ものの見事に成し遂げる、素晴らしい男がいるという話を聞く。
よくよく聞いてみると、それが、自分の娘の婿、ひかるだという事が分かった。
そして、今までの考え方を一変させたのだ。
勿論、ひかるも和解、何事もひかるを頼りにするようになったのである。
そして、都心の一等地の不動産をひかる夫婦に託し亡くなったのである。
ひかるは先見性では、ずば抜けた面をもっている。
建築法が緩和され都心回帰、マンションのブームが来る、といち早く高層マンションをぶち立てたのである。
六本木ヒルズには届かなかったが、ひかるは最上階で、ベランダから東京の夜景を眺め、日々旨い酒を飲む。
また南の島には、父が残した、広々とした土地と生まれ育った別荘がある。
暇な時は、ふらりと南の島へ飛ぶ。
JAL、ANAはワシの下駄だ・・と。
貧乏王国大統領閣下と呼ばれたが、気がついてみると、名実共に大富豪になっていた。
島のひかる邸の広い庭には、大きなヤラブの木が5,6本ある。
大き目のハンモックとガーデンテーブルをしつらえ、朝食は自動パン焼機で出来立てのパンと出来立てのジュースを飲む。
ハンモックで本を読み、うつらうつら・・・パソコンをやったり・・・
潮時のいい時は、150メータ先のプライベートビーチへ、ぷらりと行く。
この島のリーフは世界的にも類を見ない、東京ドーム数個分の天然プールがいくつも出来上がる。
潮の流れもなく、観光客は浮き輪さえあれば絶対安全。熱帯魚達と戯れる竜宮城だ。
ひかるの特技は、この巨大プールで浮き輪に入り、立ったまま、むぎわら帽子をかぶり、サングラスをしたまま立ち昼寝をする事。
観光客は動かないので、ドザエモンだ! と大騒ぎ。ある時は救難ヘリコプターを呼ばれる寸前までいった。
ワシはまだ死にたくないぞ!
死なせるな!
夕日が周り一面を真っ赤に染める頃、プライベートビーチで、ひかるは若かりし頃に思いをはせていた。
s1118 攻めようぜ
30年も前の話だが、画期的といわれた、ISDNの開発を大々的に国がPRした。
霞が関の郵政省と、三鷹の当時の日本電信電話公社との間で、ISDNを使って映像をやり取りするという、
国家的プロジェクトに、どういう訳かひかるに白羽の矢が立てられた。
当然NHKがやるはずのところだが、どんないきさつでひかるに話が来たのかは、定かでない。
それ以来、インターネットに関しては、かなり注目し、放送業界もいち早く取り入れるべきだと、主張したが、放送業界は惰眠をむさぼっていた。
その結果、業界からすれば、赤ん坊にすぎない、ホリエモンや楽天に、脅され、揺さ振られる結果となったのである。
これから、ブロードバンド携帯が発売されるようになれば、日本全国、個人が放送局を持つ時代になるんだぞ!
企業や団体など、独自に、それぞれ専門分野の放送を始めるであろう。
既にテレビ業界には、陰りが見える。
今の若者達は、車や携帯電話などを購入する際、あんな30秒コマーシャルで、意思決定する人はいない。
インターネットで、たっぷり時間をかけて、そこから購買へ結びつく。
既に自動車や家電など、ドル箱スポンサーが、テレビからかなり減っているのが見てとれる。
放送業界は、惰眠をむさぼっている場合じゃない!
急ぎ、手を打たないと、お先真っ暗だぞ。
キー局はネット局を食わせる責任がある。
ネット局を使わずに、電波や情報を全国発射出来れば大変な事になる。
もし一局でもネット局が脱落すれば、スポンサーはテレビ局に値下げをあからさまに要求する。更に苦しくなり、次から次と脱落。
その内、ジャパネット高田の限定販売、チラシ広告屋になりさがるぞ!
ひかるがブロードバンド携帯を手にすれば、南の島から、携帯放送、チャンネル1919で、たった一人の放送局を立ち上げて見せるぞ!
今立ち上げているブログは、携帯放送のテスト中だ。
若者の就職ランキングで、放送業界は、かなり上位にあるようだが、頭を使って、ひとりで放送局を立ち上げたほうがいいじゃないかな・・・
コンテンツさえ良ければ、行けるぞ!
放送業界、出版界、広告業界、シェアをもぎ取れるぞ!
若者よ、夢を持て!
果敢に攻めようぜ!
s1117 竜宮の使者
最近、伝説の生き物だと思われた、竜宮の使者と呼ばれる魚が釣りあげられたとの事。
体長数メートル、巨大な太刀魚に似た、鋭い切っ先の口に、流線形の見事な背ビレ。
銀色の魚体には、ブルーラインが1本入っていたとの事。
巌流島の決闘、佐々木小次郎の物干し竿は言うに及ばず、この魚を怒らせると、人間の心臓は、簡単にぶち抜かれる事でしょう。
欲に目の眩んだ男が、海で見事に心臓をぶち抜かれ、成敗された、という昔話を聞かされた事があります。
竜宮の使者の怒りに触れたのだろうか?
最近では、重さ数10キロ。体長1メートルにも及ぶ、巨大な白イカが釣れ、話題になっているとの事。
海面はスミで黒く染められ、釣り上げる醍醐味は格別だった事でしょう。
一度釣り上げたい、格闘技をしてみたいと描く、楽しい夢。
また、畳4枚分にも及ぶ、巨大なマンタをテレビでご覧になった事があるかと思いますが、ひかる家の、プライベートビーチの前を通り、西表島小浜島間のヨナラ水道を堂々と回遊。人に危害を与えない為、観光の目玉となっています。
無造作に見える海底のテーブルサンゴ類、陽光と見事に調和した動物たちの造形美、ゆるやかな潮流は、夕凪を感じさせ、遊泳の眺めは、
地上のいかなる遊覧飛行、宇宙遊泳にも勝るものではないだろうか。
人間には、とてもまねの出来ない、個性豊かなファッションショーを繰り広げ、乙姫たちが舞う竜宮城。
魚達も、少年の頃に出会った魚達の、孫か、ひ孫になっているのかなぁ?
ひかるは間違いなく、浦島太郎になっている事でしょう。
澄み切った空あり、海あり、命あり。
部屋には、孫達の大きな写真を張り、5コマ漫画に出ていた、大きなテレビで、映画を見よう。
そこは、ひかるの極楽、メルヘンだ!!
長年待ち望まれた、羽田、石垣島間、直行便が飛ぶようになりました。
更に成田から往復2万円で格安便も出ています。
古代の生き物たちと共存出来る、生まれたままの島。
流れ星の、燃える音が、聞こえて来そうな島。
体中に張り付く、幸せを呼ぶ、星砂の島。
人々の、純な心に触れ合う島。
ここは別天地、ロマンあふれる南の島。
恋を語ろう・・・・・
夢を語ろう・・・・・
人生を、語ろう・・・・
人生の、アルバムを作ろう・・・・
s1116 自論
「人生には、ロマンと、スリルと、メルヘンが、必要である!」これは、ひかるの自論である。
ロマンについては、別に書いた通り、スリルも、命を張れる生き方をすれば当然。
さて、ひかるにとって、メルヘンの世界とは?
やはり、ひかるのメルヘンは、南の小さな島にしか求められません。
生きる厳しさ、激しさを教えてくれた、台風に遇いたい!
灼熱の太陽エネルギーを浴び、風と戯れ、小鳥達や、百面相の雲と語り合いたい。
そうだ、命を誕生させてくれた、母なる海の世界もある。
華やかで、色とりどりの熱帯魚達、格好良くないけど、ナマコも、クラゲもいるだろう。
ヒトデは手が五つ、五回も握手を交わせるなんて、おまえは幸せものだ。
人が親類に見えるのか、擦り寄って来る、小さな耳かきヒレのタツノオトシゴ君、泳ぎが下手で、立ったまま流に漂い、どうやって、家に辿り着くのだろうか?
魚達の親子は夜、どうやって寝るのだろうか?
また、イソギンチャクに隠れんぼする、真っ赤に白い、派手な縦縞のクマノミちゃん。
卑弥呼の世界で、ボスクマノミは、自然にメスになり、ボスの座を降りると、自動的に、オスに性転換するとの事。
オスを従えての女王様。
スズメダイ、ベラ等は、クマノミと逆、ボスはオスになり、今までメスだった魚が、ボスになると、性転換するとの事。
便利というか、人間の世界では考えられない、厳しい世界だ。
周りには、光柱ライトの中、テーブルサンゴの舞台狭しと踊り狂う魚や、薄暗い根元では、魚体をくねらせ愛し合う魚あり、コバルトスズメの団体は、一斉に向きを変え、一糸乱れぬ行動、光に映える魚体の見事な模様は、立体ラインダンスを演出してくれます。
おちょぼ口の針千本が、小ビレをばたつかせ、警戒警報!
突然現れる、わんぱく小ザメ、しかし枝サンゴへひょいと入れば、絶対安全。
ビー玉ほどの小魚とて、恐れる事はありません。
ちょこちょこと出入りしながら、揶揄する小魚達に、小ザメは仕方なく、「今に見ていろ、痛い目に合わせてやるぞ!」と、威嚇しながら捨てぜりふを吐き、退散。
見ているだけで、時を忘れさせてくれます。
退職金で、小さな船を買い、風のない日は釣り三昧。
そして風が出れば、畑を耕し、汗を拭かせよう。
果て無き宇宙の天の川の下、母なる大河、黒潮に身を委ね、ゆったりとした時浴の中、春には一斉に産卵する、魚達の出産に立ち合う気ままな生活。
子供の頃不自由した飲料水も、同じ町内の島、東洋のアマゾンと呼ばれる、西表島の豊富な水が、海底パイプで引かれており、枯れる事はないでしょう。
人生劇場***本土では考えられない、年間日射量、畳2枚分のソーラーで必要な電気は賄えるはず。
水と電気さえ確保出来れば、あとは大自然の恵みで十分、待つのは、贅沢過ぎる、心豊かな生活のみ。
定年後も夢があり、自分の思った通り、楽しく過ごせる。
これぞ、メルヘンの世界ではないだろうか。